赤 兩椛(せき りょうか)です。
神殺(しんさつ)について。(咸池/駅馬)構造の考察をしています。大変奥が深いです。
X(エックス)で、四柱推命:音声無料配信(スペース)をやっております。こちらのブログと併せてご確認頂くと参考になると思います。宜しければご視聴ください!
タイトル⇒『神殺!!』古現?推命研究部🌹⇒https://x.com/uraurastar7
◆もくじ◆
神殺とは?
四柱推命の命式を観るにあたって、基本は命式八字の相生/相剋の関係、大運や年運を併せて日干の状態を判断し(その人の性質や運勢を)判断しますが、 補助要素的に『神殺』(しんさつ)というものを用いて『その人の性質』の判断材料の1つとして加味します。
※字の如く神が吉・殺が凶という解釈です。⇒違う呼ばれ方として、吉凶星とか特殊星とも呼ばれています。数は200以上あるみたいです。※神殺看法と言って、四柱干支だけでは解釈が難しかった時代に、神殺等も加味して判断していたみたいです。
分かり易くいいますと、命式や大運/年運が料理だとしたら、神殺は『スパイス⇒調味料』というのかな?あれば、よりうまみ(エンタメ要素もあるし話が盛り上がる+当たっている事もあるので、観方の幅が広がるよ的な。)私はそのように考えております。
スパイスはエンタメ&深み♪
神殺は流派・先生によって使用する・使用しないが分かれますが、私は自分の実践鑑定を通して(一定の物だけは)採用しています。使用する事の判断はご自身で決められると良いでしょう。
使用しているものもバラバラだと思いますし、名称も微妙に異なったりするのですが、この度(Xのスペース編⇒※音声配信)の記録としてこの記事を書きました。
本日のお題の神殺(咸池/駅馬)について。
(スペースの時間枠もありますので)この度は結構当たる?と言われている神殺2つについて、構造&考察交え書いてみたいと思います。
まず、神殺の導き方なのですが(これも流派によって異なりますが一先ず私の考え方で)
⚫️日干⇒地支で観る神殺
⚫️月支から天干で観る神殺
⚫️年支から地支を観る神殺
⚫️日支から地支を観る神殺
⚫️日柱干支で観る神殺
とこのように何パターンに分かれます。
①咸池(かんち)
●またの名を桃花殺(トウカサツ)・敗神(ハイジン)ともいいます。
●旺支(子卯午酉)に限られた神殺。命式中では年支と日支を主として観る。(どこの場所を取るか?は流派・先生で異なる。)
●(注釈)古典にのっとると、三合会局の旺支を陽干と見立てた十干でみている模様。
※下の図で説明しますと、甲の人=(木局)にとって(十二運)沐浴の支⇒『子』が【咸池】となります。⇒※関連記事『十二運(大運・年運)の観方⇒あなたは今どんな時期?』
【図解1】
●丙(戊)の人=(火局)にとっての沐浴の支は卯
●庚の人=(金局)にとっての沐浴の支は午
●壬の人=(水局)にとっての沐浴の支は酉
となります。
陽干の甲木の五行は、亥月(11月)で生まれ(長生)⇒卯月(3月)で最も強くなり(帝旺)⇒未月(7月)で終焉(墓)に入ります。 他の干も同様の考えです。
※では、『陰干の人はどうなるの?』⇒についてですが、そう考える(た)理由として、スペースでお話しております。気になる方はお聞き下さいませ。(あくまで自分が思う事であって、正解か否かは分かりません。)
●『咸池』を持ち合わせる要素⇒淫欲を司る星。酒にも溺れがちで色情による過ちを犯しやすい傾向がある。良く出れば、モテる、色気がある、容姿がいい。悪く出ると、放蕩(だらしがない・フラフラする)妄想等の暗示。職業は接客関係・異性相手の仕事に向いているとも書かれていますが。。何故そう言われてるの?!
沐浴の位置はどこ?
【図解2】
先ほどの続きになりますが、甲木の人(木局)にとって(図解2を観て頂くと)、長生(亥月)の次の支(子月)が沐浴(咸池)となります。
※亥からみて1個左側ですね。甲木は11月の亥月で生まれ翌月の子月に(沐浴)となります。
※沐浴と聞けば赤ちゃんを思い出しますよね。
入浴⇒裸体。ここからあなたはどんな想像をしましたか?
裸⇒アダムとイブも想像出来ますよね。(文脈や状況で想像される事は異なりますが大人になると)裸と聞くと、恋愛系の営み的な事も少なからず想像してしまいます。
※恋人達のカード
十二運のサイクルでいいますと、沐浴の時期は『成熟しきらない少年少女の位置⇒性への目覚め』なので、安定感がなく恋愛トラブルを起こしやすい時期でもあります。
後、書籍で『咸池』とは、桃源郷(とうげんきょう⇒仙人が住んでいる場所や理想郷)にある『天女達が湯飲みする池』で、『風俗的な世界』と書かれていました。
※こちらは長野の桃源郷
『風俗的な世界?』って??⇒ある時代における習わしやしきたりともいえるし、性風俗も連想できます。
桃源郷を現代的に例えたら『夢の国⇒ディズニーランド』『ユートピア』という感じを想像してください。
帰る場所があるけれど『一瞬は何もかも忘れ、そこの世界(桃源郷⇒夢の国)にハマっていたい!』という感じかな?
字からの連想では?
字からも連想した世界観を述べさせていただきます。
字で考えますと、『咸』⇒解釈としては『みな』『ことごとく』『全部』という意味があります。
全部とはすべてであり、肉体で言うと『頭の上から足の先まで』時間でいうと『24時間』という感じなのでしょうか。
『咸』の字は感じる・感想・感覚という字『感』の下側⇒『心』がないから、心は無い⇒言い換えると『事は成すが正式なお付き合いをしない関係』所謂浮気であったりセフレ的な関係とも想像出来ます。
次に咸池の『池』は、字の如く池なので『水を貯める場所』っていう事ですが、氵は水になり、水の時刻は夜を表します。池の水は流れない水⇒一ヶ所に留まる⇒水の底に沈んでたまる⇒淀んだ水は健全ではない⇒咸池みたいなイメージなのでしょうか。
後、古典の解釈(三命通会)では咸池の出だしはこう書かれており、
《淮南子》曰:“日出扶桑,入于咸池。”故五行沐浴之地,名咸池。是取日人之義,萬物暗昧之時。
これを訳してもらったのですが、『日の出を経て、明るくなっているのに(理性や知恵が開かれるはずなのに)咸池に入るように、全ての物が暗闇に襲われるようなズブズブ状態⇒所謂沼ってる状態。』らしいです。
所謂、理性が飛んだ状態というのでしょうか。
※飛んでる~
●咸池(ドップリハマる・夢の国♡)⇒ジュリー(沢田研二)の世界感や失楽園(甘美な世界は一生続かない)⇒溺れすぎると最終的に行き着く果ては破滅?!
咸池ほど狂おしく求め合う愛や肉体も、時間を重ねるといずれ(夢の国の魔法?が解け)普通?(人によっては)それ以下に?なるんですけれどね。。(特に一緒になんか暮らしたら現実しかない)と冷めている筆者です。笑
過去でも、夢の国の時間を存分に堪能出来る機会を持つ事が出来た方は幸せだと思いますね。笑
後、恋愛にも季節って自分の中にはあって、先ほど出てきたジュリーや失楽園(ようは咸池)の季節感は(私の中では)金水というイメージなんですよね。やはり四季が絡むのです。⇒※関連記事『恋愛と五行の相生について考えてみた!』
【余談】『カンチ!』と言えば東京ラブストーリーの織田裕二さん役(長尾完治)思い出しますね!(知ってるかな?)
②駅馬(えきば)
●長生支(寅巳申亥)に限られた神殺。命式中では年支と日支を主として観る。(どこの場所を取るか?は流派・先生で異なる。)
●駅馬も咸池同様三合会局、こちらは対冲が絡みます。
【図解3】
【図解4】
※(冲)は衝突や刺激を表します。
■関連記事
・冲について初心者の方はこちらから⇒『刑・冲・破・害(分離)について。(図解アリ)』
・更にもう一歩踏み込んだ冲の解説:noteにて⇒『冲の深掘り⇒凶作用の強弱・構造と作用/解冲と反剋/地支の剋/冲開/例題/noteで学習!』
【図解5】
●駅馬は移転や多忙、旅行の星。命式中に駅馬を持つ人は、移動(引っ越しを含む)転職が多い人生となりやすい暗示と考えます。後、じっとしていられない人という解釈も。良い方に出ると、活動的で快活な人。
電車の無い時代、各駅に常駐している馬車の意味⇒交通の代表的手段(馬)という風にも書いていました。
古典での駅馬の解説は、他の神殺に比べて頁数が多く割かれています。
駅馬は古典の神殺の中でも重要な位置付けであるような気もします。
古典での駅馬は少し意味合いが異なり『出世での移動』『官職での栄転』的な感じだそうです。
転々とするという意味は(文脈や状況で想像される事は異なりますが)、 駅馬の柱が強ければ馬を乗りこなせる人となり(仕事で出世・移動は栄転等を表わし)、駅馬の柱が弱ければ、馬を乗りこなせない人となり(職場が定まらずフラフラしてしまう⇒転職が多い)というような解釈になるのかも?知れません。
古典によると、組み合わせでも駅馬の性質が異なるみたいです。汗
駅馬の出る柱、天干と地支の組み合わせにより、どんな馬か?が異なるという感じなのでしょうか?!🐴
古典の解釈(三命通会)を訳してもらうと、こんな感じなのでしょうか?(※ちなみに翻訳アプリもちゃんと訳せませんよね。汗)
年支から観て命式中にある駅馬のタイプも色々あります。
●庫(墓支)馬は、少年時代の喜び⇒この馬はポニーランドの馬
●旺(旺支)馬は、壮年時代の栄え⇒この馬はディープインパクト(古い例え・・)
●生(生支)馬は、老年になり移動⇒(??)
※字だけみると、庫馬と生馬は反対な気もしますが。。なんだか(前回スペース)三刑を思い出すな。
となり、書籍によると、時柱にある事が◎、生日は○、生月は平凡と観るらいしいですが、これもあくまで書籍上の事で実際には分かりません。
【余談①】
書籍は大変勉強になります…が、翻訳の場合は(特に他国の場合は)『よほどその著者の言葉を理解し、解釈や表現が忠実に出来ているか?』でも異なってきますし、本人が書いていても、『その著者が先生に習った事をそっくりそのまま(コピー状態で)書いているのか?』『占術理論や構造だけで書いているのか?』『実践&鑑定をやってみて本人の見解を書いているのか?』でもかなり異なってくる気がするんですよね。
初心者の時は書籍全面信用でよいと思うのですが、ある程度中級以上になると、(書籍鵜呑みではなく)『自分に合う書籍はどこにあるのか?』を自分で探された方が良い気がいたします。流派が違えば解釈も大きく異なりますので、全ての流派に精通する書籍は今の所はないと思います。
※ない場合は自分で書くとか?
後、駅馬の構造は支合も入っている?その他。
再び【図解3】を観て頂くと、
例えば上記の図で、水局(申子辰)の場合、地支ー『寅』の駅馬(冲)で『亥』の巡運が巡ると、寅の駅馬と亥の支合が成立⇒官職が栄転する。と考えるらしいです。
木局(亥卯未)の場合、地支『巳』の駅馬(冲)で『申』の巡運が巡ると、巳の駅馬と申の支合が成立⇒官職が栄転する。
駅馬が支合となる時は『栄転⇒喜ばしい』という風に考えても良いのでしょうか?
※冲と支合なら支合が勝る?という考えでしょうか?
【余談②】
これは私が思う事で書かせて頂きます。
『これこそ詳細な観方!』として占術理論でこねくり返しても『実践鑑定では当たらない!』事も多いと個人的には思うんですよね。。
そして、その理論に当てはめて⇒考察し発信⇒共感を得ている人ってどれ位いるの?って思うのです。
シンプルに観たら当たらないではなく『どこの・何を・どのように使用するか?』の塩梅を掴めた人こそ、鑑定力があるのではないでしょうか。
駅馬を違う視点で考えると。。
一般的な解釈で駅馬は『移動』と考えますが、駅馬の項目に『禄』の字が多く出てくるそうです。
禄は通常(稼ぎ⇒給料)と考えますが、『天や神からの贈り物(めぐみ)・さいわい』とも考えられます。
自分を例に思い返してみましたが、、『駅馬』の年に子供を出産しました。
そして、遠方の実家に帰る(里帰り)出産ではなかった。⇒ つまり、移動(駅馬)現象は無かった。
ある意味子供は『天からの贈り物?』とも言えるな、、と思いました。
ですから、駅馬の解釈が『移動』の視点しか無ければ、そういう想像は働かないよな?とも思いました。
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他には、会局が揃う命式の駅馬は、三人で一匹の馬に乗る『折足』と言われ、あまり良い作用をしないと書かれており『高位高官となっても最後には落ちぶれる』とか、会局が揃っていなくても、巡運等で揃ったら不測の事態招くとか、日支『駅馬となる命は常に心身動揺だったり、粗相を犯しやすく軽率』と書かれているものもありますが、反対に出ると、本人または配偶者がよく動き・よく働くという意味になるそうです。
難しいですね。。。
さいごに。まとめ!
咸池・駅馬の神殺について、色々考えた結果(現時点の結論ですが)
● 命式は基本は八字で観るので(あくまで神殺は補足要素で観るべきですが)侮れない所もあるので私は(一部)採用しています。
※神殺よりまずは全体を観ましょう!
● 咸池は三合会局の旺支を陽干と見立てた十干(五行)でみている模様。十二運沐浴を咸池とする。 駅馬も咸池同様三合会局、こちらは対冲+支合が絡みます。
●どこの柱に咸池・駅馬が出ると良い?悪い?説もありますが、そこもあまり気にしなくて良いと個人的には思います。『年月日のどの柱を起点にするか?問題』もありますが、著者・先生によって意見は様々なので、色々勉強をして掴んで下さい。
●咸池について⇒歳運(年運)や大運で沐浴支が巡る時はロマンス?罠?が巡る確率も高くなると言われておりますが、大運なら10年間モテ周期(ハマりやすい?)時期になるという考えですが、大運に関しては(10年続くので)影響が薄くなる気が個人的にはします。
●咸池でも異性を振り回す咸池タイプと、自滅やメンヘラ系の咸池に分かれると思います。他の神殺や通変星との組み合わせでも色々な考え方が出来ます。
●駅馬について⇒歳運(大運)に冲衝される時は、馬が鞭をうたれるとし、身辺に移動や変化が生じやすいと考えます。それはネガティブ(事故・病気・左遷・転職)等もあるかも知れませんし、ポジティブだと、フットワーク軽く活動せよ!とも考えられます。(古典によると)大出世で栄転(移動・海外への移動)等・喜ばしい事かも知れません。
こちらも観方としては、『天干の通変星で何が出ているか?』や、他の神殺とも組み合わせ鑑定をして『いつ移動の暗示がある』というような観方もあります。
●日柱神殺⇒羊刃や魁罡(かいごう)があります。 日柱神殺が当てはまる人・そうでない人がいますから、そこだけで判断は出来ませんが、書籍に書いてある事だけを鵜呑みにすると、間違った解釈になる事もあります。まずは命式や人を観る事だと思います。※関連記事⇒『魁罡(かいごう)を持つ人の特徴と運勢!有名人でも解説!』
●自分の過去を振り返って、実践~検証する事が必要です。(咸池・駅馬)の時期に『どのような事が起ったか?』確認してください。
● 古典だから絶対正しい訳でもない。現代の解釈も絶対正しい訳でもない。
如何に古典からの解読もインスパイアさせつつ実践が重要、そして使えるものは使い、依頼者様に1つでも情報を多く提供する事が『占い師の仕事かな?』と個人的には思います。
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さいごになりますが、四柱推命においては、流派・講師の考え方が異なります。
実践鑑定を積んで見えてくる事はありますので、鑑定を繰り返し、ご自身なりの理論・正解をつかみ取って欲しいと思います。
それが「占術研究」という事だと個人的には思っています。
それでは今日はこの辺で。