赤 兩椛(せき りょうか)です。
分離作用『刑』について図解を交え書いてみました。
※流派(鑑定士)によって採用する・しないが大きいと思います。
私は採用しています。
後、占星術ではスクエアが刑の関係になるのでそれについてもちょこっと触れています。
◆もくじ◆
刑は分離作用。
四柱推命には、結合作用と分離作用というものがあります。
分離作用⇒ 字のごとく分かれる・分けて離すことという意味合いになります。
分離作用として、
●刑(けい)
●冲(ちゅう)
●破(は)
●害(がい)
というものがあり、十二支同士の相性が悪い関係と考えます。
※結合作用には干合・支合・方合・三合会局というものがあります。※関連記事⇒『三合会局・方合・四墓土局(結合)について。(図解アリ)』
刑の採用は流派?によってバラバラ。
少し前にXにツイートしたのですが、 刑は考慮外の人も多いかも?ですが、私は採用しています。
書籍でも『刑は無視して良い』と書いてあるもあれば、『刑は悪い作用となる』と書いてあるものもあるのでバラバラです。
どっちなのよー!
(刑には限らずなのですが)四柱推命では何を採用するか?が流派や人により異なるのでここが複雑で大変なのですよ。。。
この辺りの採用含め、鑑定結果が異なる一因になるのだと思います。
冲は採用する場合が多いけれど、刑は採用しないという流派(先生)もある(いらっしゃる)と思います。
同流派でも先生の考えによってこの辺りの採用が分れてくるので、となると『先生が使用しなくていいと言ってたから考慮しない!』と考える方もいらっしゃる(多い?)でしょう。
そう思えたら簡単だし楽なのですが、私は実践してみて感じた事を鑑定に取り入れたい⇒つまり、 刑は採用するという考えに落ち着きました。
四柱推命の難しさは(色々解釈がある中から、実践して自分が何を選択するか?)だと思います。
自分で腑に落ちた事を採用して、ご依頼者様に『当たってるし納得がある!』とどれくらい感じて頂けるか?だと私は思っているのです。
それでは刑の解説をします!
①刑とは十二支を剋する(攻撃する)関係。十二支同士の相性が悪い関係と考えます。3つ(三刑)または2つ(二刑)が互いに剋しあう関係と、自ら刑する関係があります。
●三刑・二刑・自刑の図解
上の図をご覧下さい。⇧
●礼なき刑(無礼の刑)⇒(子卯はお互いに刑する⇒赤線)凶害強め。横暴・肉親(親は子に、子は親に)に害を与えるなどの現象。
●勢いをたのむ刑(恃勢の刑)⇒(寅は巳を刑する・巳は申を刑する・申は寅を刑する⇒青三角⇒火の三刑)自分の勢いをたのんで猛進・失敗する。始まりに乱れる。
●恩なき刑(無恩の刑)⇒(丑は戌を刑する・戌は未を刑する・未は丑を刑する⇒緑三角⇒土の三刑)恩を仇で返す裏切りを起す。人害。終わりに乱れる。
※当方では、勢いをたのむ刑(恃勢の刑)⇒寅巳申、恩なき刑(無恩の刑)⇒丑戌未、と考えておりますが、逆の考えが書いてある事もあります。⇒ 恃勢の刑が丑戌未で無恩の刑が寅巳申。
古典でも(三命通会と淵海子平では)逆になっている?
とある書籍に、古典の三命通会と淵海子平の三刑が逆説になっていると書いていました。
※ちなみに淵海子平と私は同じ。
しかし、古典に詳しいフォロワーさんに解読してもらったのですが、淵海子平には『刑』の事は書いてあるが、恃勢・無恩との記載は無かったみたいです。
日本の書籍も数冊読み比べましたが、私の採用と同じ所もあれば逆の所があったり、寅巳申/丑戌未は三刑とは書いてあるものの、どちらが恃勢刑で無恩刑かは書いていないもの、全然違う感じで書いてあるもの、何故その採用か?の根拠については詳しくは書いてあるものはほぼありません。
とある書籍に、無恩の刑(寅巳申)について、母を刑するがゆえに無恩の刑と書かれており、何故そう考えるか?の根拠⇒(多分蔵干の関係性や合を意味しているのかな?と思うのですが)私としては、少しその考えがスッと入ってこず違和感を感じました。
自分自身、寅巳申を恃勢の刑だと考える理由として
●一番最初はそう習った。(ただそう習っても、自分が実践していく中で採用は取捨選択しています。)
●寅/巳/申は生旺墓の生の支にあたり、生は季節の発生の長生。これから勢いが上がってくる⇒つまり若者、若者は勢い任せに走る。字や支を見ても『恃勢』勢いを感じる。
丑/戌/未については、生旺墓の墓にあたり、季節の終焉で勢いがない。=つまり年配者と考え、字からの連想でも(勢いを恃むとは)感じない。。のですが。
●寅巳申を恃勢の刑⇒実践での違和感が無かった。その人物の履歴と合っている。
子ー卯の刑については、水(子)と木(卯)なら生じる相生関係ですが何故悪いのか?
これも蔵干の関係性や合で考えるのかも知れませんが、、根拠にしてもちょっと?な所があり、自分にはシックリこないのです。
子ー卯は親子の衝突と書かれているものや、男女間のトラブル、孤立等とも書かれています。
私のこれまでの鑑定の体感的には、 男女間のトラブルもしくは人間関係のトラブルがシックリきています。
②自刑(じけい)勢いが強い同じ十二支同士の関係。
※4種類あります。
●辰ー辰
●午ー午
●酉ー酉
●亥ー亥
※上記の図ではピンクの字にあたる。
刑は引くに引けない争い事を起こしたり、それによって失敗するような現象が起こりやすい。闘争心が強く我意を張る。墓穴を掘る。
方合と三合会局を並べた時に出来る組み合わせが刑。
※流派によって呼び方が異なります。方合を三會(会)と呼ぶ所もあります。
三刑の場合、会局側が方合側を刑する形になります。
※左下の2の図で説明します。
まず左側、縦並びで見て頂くと(巳午未)南方合していますよね。右側も縦並びに見て頂くと(寅午戌)火の会局。
横並びに置くと、、、?
あら!(会局側から三合側に)上から寅ー巳の刑、午ー午の自刑、戌ー未の刑となっています。3の図も同じく。
1の図と4の図だけ少し違って、 東方合と水局がペア・北方合と木会局がペアに。
むむ、、普通に考えたら、東方合と木局・北方合と水局がバシッとハマっていたらモヤつかないのですが、そうなると、刑の成立はなくなるんですよね。。
書籍によると、水は流れて東方に走り、木は落ちて根は北に帰るとされていました。
なので、同一化され違和感がないと言う事なのか??
自刑については簡単に言うと、 同一地支が重なるのでその五行の意味合いが強まると考えます。辰と亥に関しては、辰は水庫で水・亥は木の生位で木、として考えます。
※細かくツッコむと、これも辰を木にして、亥を水にする方がシックリしますが、木と水が反対になっていますからね。しかし、これらは蔵干には含まれていますのでまだ納得出来ます。
そして、 刑と害と重複するもの、支合と破・刑と支合などの結合と分離が重なるものもあり、『どう考えるの?』という場合もあります。
※私は害や破はあまり重点を置いて見ていないのですが、重なる場合は、吉凶相半ばするというような感じでしょうかね。
刑が巡ると恐ろしい事がおこる??
では『刑が巡ったらどのような作用が起るのか?』と言うと、簡単には上の頁でご説明しましたが、書籍で見かけたものでは
●親子(身内)・人間関係のトラブル。
●色情関係で身を滅ぼす。異性運悪い。
●子供に恵まれない。流産や厄産。
●病気や死(殺人?)
●仕事で成果が出ない。
●警察関連の何かが起る。⇒刑だけに?
このように書かれている事を目にします。(本当はもっとエグい書き方なのでマイルドに書きました。)
実践鑑定をしていく中で(刑の巡運が巡ってきたら) 人間関係のトラブルが多いなと私は感じています。
昨年トラブルを起こした有名人の方で、刑の年運で死者が出て刑事事件になっている方はいました。⇒ま、、とはいえ、刑事事件は確率としてはしょっちゅうは無いとは思いますが。警察や法に関連する事に出会いやすい?一面はあるかも?(注意して今後みておきます。)
鑑定にお越しになられた方でも、 会社関係でトラブルがあったり、身近な人と揉めて決裂したり、口論的な事、人災⇒炎上が起りやすい感じが出ているなって感じます。
※刑については恐ろしい書き方になっている書籍もありますが、私的には冲と似たような作用が起りやすいと感じています。
実際、三刑が命式に揃っている芸能人の方もいらっしゃいますが、今は活躍してお金稼いでいますよ~♪
でも一度は落ち目になりどん底は味わっておられます。
■関連記事
そういう人もいれば、持って生まれた命に三刑があるせい?!で人生苦労といいますか御本人は望んでいないのに波乱の道を送られている方も知っています。(実家環境、仕事、異性関係含め。)
そこで這い上がれるか否かは御本人様次第になるんでしょうかね。。。ま、あと大運の影響とか?
命式中に『三刑』持っていて、歳運でも巡る時には(特に)注意した方が良いのかも知れませんね。
そうそう、これは興味深いお話を実体験でされておられる方がいまして(Aさん)、 ご夫婦+お子さんの3人で寅巳申の火の三刑が成立⇒分離作用が働いて?!離婚された方がいらっしゃいます。
きっと、ご夫婦は離れる運命だったのかな?⇒離れた方が良い関係になったと仰っておられました。
占星術で考えるとどうなのか?
占星術で考えると刑の三角形はスクエア(90度)の関係というみたいです。
※私は占星術はほぼ詳しく無いので少しだけ。
スクエアの角度は占星術では不吉とされ、不自由(邪魔が入る)・緊張状態という事になり、やはり何らかの試練を表すのでしょうか?
しかし自力で困難を突破していく気概のある人には、この三刑(スクエア)が自分に課された修行⇒乗り越えるような働きになるのでしょうかね?
冲は占星術ではオポジションにたとえられます。
真向かいの支(星)との関係(位置が)良くないと考えるなら、刑も位置関係として悪い(試練や不自由?)と考えても良さげな気も。。
命式八字も位置関係を考慮して考えまよね?どうでしょうか?
さいごに。まとめ!
色々考えた結果(現時点の結論ですが)
●自分は刑を使用します。寅と巳、巳と申は刑の関係でありますが、寅と申は刑と冲も重なる関係。丑と戌、戌と未は刑の関係でありますが、丑と未は刑と冲も重なる関係。(そして五行が偏る)
ですから、 これらが重なる時、何らかの試練があるとか、逃げ出したくなるような事が予測出来るとして考える。
※ちなみに色々試練があっても必ず抜け出せるし、試練があったからこそ力をつけられる事はあります。
険しい道を乗り越えたら必ず光が!
●刑は何らかのトラブルに見舞われる事がある。三刑・二刑の時は注意。三刑二刑は他者からのトラブル、自刑は自己にブレーキをかけろって感じかな。
●寅巳申・丑戌未の名称にはあまり拘らなくても良いが、 私には寅巳申⇒勢いをたのむ刑(恃勢の刑)で火の三刑、丑戌未が恩なき刑(無恩の刑)で土の三刑の方がシックリくる。卯ー子も父親を刑する・母親を刑する等色々書かれていますが、特に(性別を)分けなくて良い。
●火の三刑・土の三刑が成立したからと言って(会局や方合のように)命式が変わったりはしない。 ただ分離作用が成立するので、何かトラブルがあるような暗示(時期)と考える。
と考えております。
四柱推命以外の占術もそうなのかも知れませんが、(私が思うに)理論だけ正しい観方?(これだけ観方が色々あるので何が正しいのかも?ですが)たとえ理論に沿った観方をしたとしても占術は『当たらない!』と思うのですよね。。
ならば『何が必要なのか?』良く考えるべきだと思うのですよね。。※勿論自分も含めです。
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さいごになりますが、四柱推命においては、流派・講師の考え方が異なります。
実践鑑定を積んで見えてくる事はありますので、鑑定を繰り返し、ご自身なりの理論・正解をつかみ取って欲しいと思います。
それが「占術研究」という事だと個人的には思っています。
それでは今日はこの辺で。